2022/9
LIFT Aero Design、超長距離フライト向けにさらに快適性を高めたシートコンセプトを発表しました。
エコノミークラスにおける快適性の新たな基準
日本出発の多くの長距離フライトでは、乗り継ぎなしで15-16時間にもわたって飛行することが新たな常識と化しており、また航空運賃も上昇しています。その中で、旅行に出かけるか家で過ごすかを判断する際には、今やウェルネスがこれまでになく重要な基準となっています。この新たな環境では、長距離便の体験を完全に再考することが求められています。
「2021年に、弊社は未来の単通路型航空機のコンセプトとして、PARADYM for Future Aircraftを発表しました」と、LIFT Aero Designのマネージングディレクターを務めるバロン·ダニエルは語っています。「ウクライナ侵攻によって、フライトの飛行時間が伸びました。そのため弊社は、柔軟なワイド型座席というコンセプトは、まさに今求められているものだと気付きました」
今よりワイド型のシート
PARADYMは、上級のエコノミークラスまたはプレミアムエコノミークラス向けの超ワイド型の座席が特徴の、航空機向け座席コンセプトです。このワイド型の3席は、通常のエコノミークラスの中央の3列に利用できます(3席 — ワイド型3席 — 3席)。A350、A380、および777では、ワイド型の3席とワイド型の2席を、3-3-2の配置で使用できます。A330および787では、2-3-2の配置となります。航空会社は、クラスではなく座席で価格差をつけたり、あるいはクラス内でのアップグレードとして提供したりできます。
フルフラットは一度体験すると戻れないから、新カテゴリー:「エコノミーフラット」
ゆったりとした3席には、どれも乗客の間に1つではなく2つの肘掛けが用意されています。これは、知らない隣人と同じものを共有したくないという乗客の希望に応えるものです。アームレストは背もたれにしまうことができるので、乗客はエクストラコンフォートエコノミー、プレミアムエコノミー、または弊社が「エコノミーフラット」と呼ぶ、185cmもの長さのベッドとして利用できる全く新たなカテゴリーで、座席を購入できます。この長さであれば、乗客の大多数は膝を曲げずに眠ることができるようになります。しかも、座席先端部分は上部に上げられるので、座席の奥行きもさらに広くなり、より快適な睡眠環境が実現されます。
航空会社には、収益最適化というメリット
「PARADYMは、乗客にはさらなる快適性を提供しつつ、航空会社には収益最適化というメリットをお届けできる、賢い組み合わせです」と、バロンは語っています。「毎日クラスの需要は変動しますが、それぞれの座席のハードはすぐには変更できないため、航空会社は常に、供給を需要に合わせるという難問に直面しています。弊社のコンセプトは、その根底から柔軟性を重視しているので、客室内をシンプルにすることにより、航空会社は既存の収益管理ツールをより効率的に利用できます。」
また、 PARADYMなら、1つのシートモデルであらゆる商品として販売できて、製品寿命も長いため、航空会社のサステナビリティー向上の取り組みにも役立つものとなります。
新たな時代のための新たなアイデア
「私たちは今、全く異なる航空産業の時代にいます」と、バロンは語っています。「デザインスタジオとして、弊社に求められているのは、航空会社のニーズに対応できるような新たなアイデアで現状を変えていき、究極的にはより多くの人々が利用したいと思う長距離便を実現することです。私も、デザインパートナーであるアーロン·ヤングも、PARADYMの出来には大変満足しており、大革命の原動力になる可能性が秘められていると感じています」
未来の単通路型航空機向けのオリジナル版のPARADYMは、2022 Crystal Cabin Awardsのショートリストに選出されました。 |